いやーもう、びっくらこいたうどんの話。
えー、相も変わりません。本日ご紹介したいのは、古川緑波の「うどんのお化け」でございます。
古川緑波と言えば昭和の名喜劇俳優ですが、青空文庫に入ってるんですね、びっくり!
で、本書を読んでさらにびっくり。ていうのは、ロッパさん、本書の中でこんなことを言ってるんです。
「おかめ、卵とじ、鴨南蛮、鍋焼――と、昔風なのからカレーうどん、きつねうどん(油揚げの入った奴。無論関西から来たもの)或いは、又、たぬきというのもある。」
エエー!嘘やーん!
きつねうどん、カレーうどんと同列なんですか! 昔風に含まれないんすか! マジか東京人(昔のね)! お前ら(昔のね)きつねうどん知らんのんか! 「きつねうどん(油揚げの入った奴。無論関西から来たもの)」とか、説明いるんか!
うーーーそーーーやーーーーーん!!!
……すみません。つい興奮してしまいました。いや、江戸は蕎麦文化とは知っていましたが、はあ、ほんとにそうだったんですねえ。
ちなみに本書が含まれているエッセイ集「ロッパの悲食記」は1959年に初版が刊行されたとのこと。うーん、てことはですよ、ちょっと長めに見積もっても、中のエッセイがどこかの雑誌かなんかに前もって発表されていたとしても多分戦後じゃないですか。
えええ、そうなんだ。東京の人の多くは戦後まできつねうどんのこと知らなかったんだ。
はー。いやー。へええええ。
……あ、ごめんなさい、今回ほんとにそれだけが言いたかったんです。いやー、びっくりしたわ、もう。
あ、で、うどんのお化けってなんなんだって? まあ、それは本書をお読みください。多分数分で読めるエッセイなので。いやー、うどんのお化け、遠慮したいわ。
というわけで、おなじみ古川緑波著「うどんのお化け」に関する素人講釈でございました。
もう、ほんとびっくり。
……あれ、じゃあきつね蕎麦は一体いつから?