文芸素人講釈

古今東西の文芸作品について、講釈垂れさせていただきます。

プロレスで 短歌を詠んでみたならば なんだか切なく なっちゃう話。

仰天・プロレス和歌集 仰天シリーズ (集英社文庫) 作者: 夢枕獏 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/07/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る えー、本日も一席お付き合いいただきたく、ご紹介したい本は夢枕獏の「仰天・プロレス和歌集」で…

無限の集合論がヤバすぎる話。

「神」の証明―なぜ宗教は成り立つか (講談社現代新書) 作者: 落合仁司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1998/02 メディア: 新書 クリック: 4回 この商品を含むブログ (11件) を見る えー。相も変わりません。本日もまた一席お付き合いいただければと思う次…

ソクラテス探偵の名推理!犯人はプラトニック・ラブじゃなかった話。

饗宴 (岩波文庫) 作者: プラトン,久保勉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/12 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 88回 この商品を含むブログ (93件) を見る 講釈垂れさせていただきます。というよりも本日は、講釈と言うよりも世の中にまかり通って…

まるで足つぼマッサージみたいな話

読書について (光文社古典新訳文庫) 作者: ショーペンハウアー 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/09/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る えー、本日もお付き合いいただきたく、またぐだぐだと講釈垂れさせていただきたいわけでございま…

鏡の国の漱石の話。

草枕 (岩波文庫) 作者: 夏目漱石 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/12/18 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る えー、相も変わりません。本日も眉唾物の素人講釈に一席お付き合いいただければと思います。 本日取り上げるのは夏目漱石の「…

ブレヒトおじさんの皮肉と諧謔に満ちたお話。

暦物語 (古典新訳文庫) 作者: ブレヒト,丘沢静也 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/02/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る えー、相も変わりません。今日もばかばかしい講釈を一席たっぷりお付き合いいただければと思います。 16世紀…

知識よりもお金よりも大切なものの話。

八十日間世界一周 (岩波文庫) 作者: ジュールヴェルヌ,Jules Verne,鈴木啓二 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/04/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (26件) を見る それでは本日も一席、お付き合いいただければと思…

ヴェルヌが予見した飛行機の話。

征服者ロビュール(ジュール・ヴェルヌ・コレクション) (集英社文庫) 作者: ジュール・ヴェルヌ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/02/07 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る えー、本日も相も変わらず、素人講釈にお付き合いいただければ…

満たされぬ征服欲に悶絶する話。

砂男 無気味なもの―種村季弘コレクション (河出文庫) 作者: E.T.A.ホフマン,S.フロイト,E.T.A. Hoffmann,S. Freud,種村季弘 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1995/03 メディア: 文庫 クリック: 14回 この商品を含むブログ (12件) を見る 相も変わらず…

どれだけ賢くなったところでねえ、という話。

犬の心臓・運命の卵 (新潮文庫) 作者: ミハイルブルガーコフ,Valerij Gretchko,増本浩子,ヴァレリーグレチュコ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る それでは本日もばかばかしい話を一席。 ウクラ…

愛と自由が両立する瞬間は奇跡だという話。

Xのアーチ (集英社文庫) 作者: スティーヴエリクソン,Steve Erickson,柴田元幸 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/02/19 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る それでは本日も講釈垂れさせていただきたく、またお付き合いいただければと思…

分かり合えない、っていうのは案外大事なことかもしれない話。

春になったら苺を摘みに (新潮文庫) 作者: 梨木香歩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/02/28 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (132件) を見る 今日は私の大好きな一冊について、講釈垂れさせていただきたく、またお付き…

本は、出版業界は、作家は、そして読者は、いかにして生まれたのか、という話。

ヨーロッパ 本と書店の物語 (平凡社新書) 作者: 小田光雄 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2004/07/16 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 44回 この商品を含むブログ (8件) を見る 「本」ですよ!「本」!そして「書店」!私が愛する、これを読んでいるあ…

蒸気とエーテルが織りなす本格ミステリの話。

スチームオペラ (蒸気都市探偵譚) (創元推理文庫) 作者: 芦辺拓 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2016/04/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 本日も一席お付き合いいただきたく、講釈垂れさせていただきたいのは芦辺拓著「スチーム…

落語に関するマジメな話。

落語の言語学 (平凡社ライブラリー) 作者: 野村雅昭 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2002/06 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (3件) を見る えー、相も変わりません。今日もばかばかしい話を一席お付き合いいただければと…

近代と中世のエッセンスを絶妙にブレンドしたデザイナーの話。

講釈垂れさせていただきます。 マッキントッシュ、と言えば、多くの人がまず思い浮かべるのは恐らくアップルのパソコンでございましょう。あるいは、ファッションに造詣の深い方なら英国の老舗ブランドのマッキントッシュを思い浮かべるかもしれません。 し…

吾輩が猫であらねばならぬ話。

吾輩は猫である (岩波文庫) 作者: 夏目漱石 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1990/04/16 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 133回 この商品を含むブログ (78件) を見る 講釈垂れさせていただきます。 鴎外と逍遥の大ゲンカ、「没理想論争」は二人の芸術…

森鴎外が坪内逍遥にケンカを売った話。

柵草紙の山房論文 作者: 森鴎外 発売日: 2015/01/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 講釈垂れさせていただいます。 本日講釈させていただきたい「柵草紙の山房論文」でございますが、本書はまあ、一言で言うならば「森鴎外による坪内逍遥へ…

ユー、狂っちまいなよ! という話。

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0) 作者: 森鴎外 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1981/01/16 メディア: 文庫 クリック: 13回 この商品を含むブログ (32件) を見る 坪内逍遥が「当世書生気質」を発表したのが明治19年、二葉亭四迷が逍遥の理論…

会いたかったけれど会いにいかなかった人の話。

長谷川辰之助 作者: 森鴎外 発売日: 2012/10/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 講釈垂れさせていただきます。 「逢ひたくて逢はずにしまふ人は澤山ある。それは私の方から人を尋ねるといふことが、殆ど絶待的に出來ないからである。」 鴎外…

「浮雲」の何がそんなにすごいのさ、という話。

浮雲 (岩波文庫) 作者: 二葉亭四迷,十川信介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 クリック: 39回 この商品を含むブログ (22件) を見る 前回のレビューで「浮雲」の講釈を垂れさせていただきましたが、何度も申しますようにこの作…

日本文学史上で一番いい人の話。

浮雲 (岩波文庫) 作者: 二葉亭四迷,十川信介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/10/15 メディア: 文庫 クリック: 39回 この商品を含むブログ (22件) を見る 講釈垂れさせていただきます。 明治19年、読書界を大いに沸かせた「小説神髄」と「当世書生気…

遂に、新しき詩歌のときは来りぬ、という話。

明治・大正 詩集の装幀:The Art of Japanese Book Covers: Late 19th and Early 20th Century (紫紅社文庫) 作者: 工藤早弓 出版社/メーカー: 紫紅社 発売日: 2012/05/21 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 講釈垂れさせてい…

まるで肉じゃがのような話。

当世書生気質 (岩波文庫) 作者: 坪内逍遙 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2006/04/14 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 39回 この商品を含むブログ (16件) を見る 講釈垂れさせていただきます。 小説の才と小説の眼と相異なるがためなるのみ。眼ある…

かくも美しきひびの話。

講釈垂れさせていただきます。 貫入(かんにゅう)、というのをご存じでしょうか。 貫入とは陶器の模様の一つで、釉薬を塗って陶器を焼いた際、その膨張率の差によって釉薬にひびが入った状態のことを言います。 ↓こういうやつですね。 まあ、知らないと「ひ…

「文学」を生んだ青年の夢の話。

小説神髄 (岩波文庫) 作者: 坪内逍遥 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010/06/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (10件) を見る それでは、講釈垂れさせていただきます。 時は明治18年、松月堂という版元から9分冊の冊子…

ブログ開設にあたって。

口上述べさせていただきます。 伝統的な話芸というと多くの人が落語を思い浮かべるかもしれません。 落語と似たような話芸に「講談」があります。 落語が会話が主体であるのに対し、講談は物語が主体の話芸です。 その歴史は落語よりもずっと古く、奈良時代…